「何年働いても給料があがらない」
「自分の技術と年収の相場が合っているのか気になる」

このように、整骨院で働く柔道整復師の方は、長年年収が上がらないことを不安に思っていたり、自分の市場価値と年収の相場が合っているか気にする方が多いです。

整骨院業界は年々経営環境が厳しくなっており、ブラックな労働環境のままだったり、従業員が給与不足や昇給の困難さに悩む方が少なくありません。

今回は整骨院の給与が上がらない原因や背景、年収を上げるために取るべき行動についてお伝えします。

年収にお悩みの柔道整復師の方にご覧いただければ幸いです。

１．柔道整復師の年収が上がらない原因

多くの柔道整復師が年収が上がらないと悩んでいます。

原因の多くが整骨院業界全体の経営環境の厳しさによりますが、求人募集の際の内容と実態が合っていないことも少なくありません。

ここでは2つの理由を取り上げ、年収が上がらない原因を説明します。

（１）手当やボーナスがない

月給が高くともその他の手当やボーナスがない状況が、多くの整骨院で見られます。

仮にボーナスがあっても、形だけで少額しか支給されないケースも少なくありません。

給与を月給に集約し、その他の手当やボーナスを削減することで、コストをカットしていることも多いのです。

この場合、月給が高いように見えても、手当やボーナスが不十分な場合、実質的な給与水準が思ったほど上がらないことがあります。

（２）初任給の月給だけが高い

整骨院業界では人手不足も深刻な原因となっているため、入社の際の条件をなるべく魅力的なものに見せることが常態化しています。

代表的な例が初任給の月給です。

初任給の月給が高い整骨院ほど、給与の昇給が難しいケースがあります。

いくら働いても給与が上がらなかったり、成果をあげても頑張りが報われない環境では、なかなかやる気を持ち続けることはできません。

このような職場には注意する必要があります。

（３）昇格しても昇給しない

従業員が院長などの責任のある立場を与えられることがありますが、それに応じた昇給が伴っていないことも見られます。

給与はわずかな手当程度であったり、大幅に増えた残業時間が給与に反映されない状況が存在します。

いわゆる「名ばかりの院長」のように、形式的には院長としてのポジションにあるものの実際には責任だけを押し付けられ、権限を持たせない、というケースがあるようです。

これにより従業員は責任を持たされながらも、成果や労働貢献に見合った給与を得ることが難しくなってしまっています。

結果として従業員の経済的な不安やモチベーションの低下に繋がるだけでなく、適切な報酬が得られないことによる不満やストレスを感じる方が多いようです。

２．年収を上げるためには

今の環境のままではいけないと思った際には、何かしらの行動を起こす必要があります。

この章では、柔道整復師が年収を上げるために必要な行動についてお伝えします。

（１）独立開業がすべてではない

多くの柔道整復師が独立開業を目指すことから、自分自身も独立しようと思う方は多いです。

ただし、先ほども述べたように、年々柔道整復師を取り巻く経営環境は厳しくなっています。

競合の数は年々多くなる一方、保険請求制度は厳しさを増しており、これから独立開業を目指す方にとっては逆風であると言わざるを得ません。

もちろん、一部の才能のある柔道整復師が独立開業を成功させ、思い描いた年収を得ていることは事実です。

一方、それだけ多くの柔道整復師が独立開業に失敗していることも見過ごせません。

年収をあげるイコール独立開業では現在は無くなっていることを認識する必要があるでしょう。

（２）自分の技術を買ってくれる整骨院に転職する

経営環境が厳しくなっているとは言えども、経営努力を続けて従業員にも患者にも素晴らしい経営を進めている整骨院も世の中にはあります。

長年勤めあげてきたあなたの技術を高く買ってくれる整骨院も中にはあるかもしれません。

転職すると在籍している整骨院や周りのスタッフに迷惑をかけてしまうと感じる方も少なくありませんが、本当に大切なことは正しく評価してくれる整骨院であなたの才能を発揮することです。

今働き続けることに少しでも疑問を感じている場合は、転職を検討し、キャリアアドバイザーに相談することも一つの選択肢でしょう。

今すぐ転職しなくても、自分自身の市場価値を知っておくだけでも実りがあるはずです。

まとめ

整骨院でのブラック労働環境において、給与不足と昇給の困難さが従業員たちに苦しみをもたらしています。

多くの整骨院では手当やボーナスがなく、高い月給をもらっても実質的な年収で考えると思ったほど上がらない場合があります。

また、初任給が高い大手の整骨院ほど、給与の昇給が難しいと言われ、キャリアアップや成長に応じた報酬制度が不十分であり、従業員が長期間同じ給与水準で働くことになる問題も見られます。

上記のような悩みを持つ方は、将来の年収やキャリアビジョンを見直すために転職を検討してみましょう。