あなたの整骨院は大丈夫?福利厚生が不足している7つの要素
「なかなか休みが取れなくて困っている」
「社会保険に会社が加入させてくれなくて個人で負担している」
このように、整骨院で働く中で、一般的な会社との違いを感じることは無いでしょうか。
実は、整骨院業界では労働問題が深刻化しており、福利厚生の不足が原因となって転職する方も多く見られます。
今回は整骨院での福利厚生の実態と悪影響についてお伝えします。
1.整骨院での福利厚生の実態
他の会社では認められている福利厚生も、整骨院では認められないものも少なくありません。
整骨院で見られる福利厚生の不足は、以下の7つがあげられます。
- 社会保険に入れない
- 休暇が取得しにくい
- 駐車場の契約が自腹
- 賞与が非常に少額
- 特別休暇が無い
- 定期健康診断が無い
- 育児に配慮されていない
順に説明します。
(1)社会保険に入れない
1つ目の福利厚生の問題は、社会保険に入れないという点です。
企業は従業員を正社員として雇用する場合、社会保険に必須で加入しなければなりませんが、企業側の負担も大きくなってしまいます。
そのため、従業員を正社員ではなくアルバイトやパートでしか雇用しない場合や、一部の整骨院では従業員が個人事業主となって業務委託契約を結び、正規の雇用形態や社会保険への加入が行われていないケースが見受けられます。
アルバイトやパート、業務委託契約を結び働く場合、社会保険に加入しようとなると、個人で国民健康保険、国民年金に加入する必要があります。
その場合、個人の負担はかなり大きくなります。
このように、社会保険に入れないのが福利厚生の不足として挙げられます。
(2)休暇が取得しにくい
整骨院では、有給休暇や育児休暇、産前産後休暇が取りづらいという課題が多く見られます。
法律上は従業員に有給休暇の取得権が認められているものの、忙しい診療業務や人手不足が理由で、有給休暇を取得することが難しくなっているケースが多いです。
また、制度としては有給があることをPRしていても、実際の院の現場では有給休暇を取得できないほど忙しかったり、有給を取得している従業員が誰もおらず、結果として取得できない雰囲気になっていることもあります。
(3)駐車場の契約が自腹
整骨院業界では、駐車場を自分で探してさらに自腹で料金を支払っているという現状があります。
整骨院業界では駐車場の提供や料金の負担を企業が行わず、車通勤をしている柔道整復師自らが駐車場を探し、その料金を支払っているという状況がよくあります。
車で通勤している人にとっては、駐車場を探す労力や料金の負担が重くなってしまっているのが実態です。
(4)賞与が非常に少額
賞与2回支給と謳いながらも、実際には非常に低額な金額しか支給されないケースがあります。
年々、保険制度の厳格化や広告の規制、非常に厳しい競争などが影響して整骨院の経営状況が厳しくなっており、院内の収益が限られることがあります。
経済的な余裕がない院の場合は、賞与を支給することが難しく、極端に低額な賞与支給になってしまうことがあります。
また、一部の施設では、収益を増やすためにスタッフの給与や賞与を削減していることも少なくありません。
人材採用のために賞与支給と求人票に書かれていても、実際は極端に少額な場合があることも問題の一つです。
(5)特別休暇が無い
続いての問題は出産、ブライダル、慶弔休暇などの特別休暇が不十分であることです。
小規模な整骨院の場合、休暇を取ることで診れる患者の数が減るため、整骨院の運営に影響が出る可能性があります。
そのため、特別休暇を設定しない整骨院が多く、業界全体の福利厚生不足の一因になっています。
特に、出産・ブライダル・慶弔休暇などの休暇制度が存在しないケースがあります。
(6)定期健康診断がない
柔道整復師は、患者の治療や施術に専念するために多忙な日々を送ることが多いため、整骨院施設の運営においても、スケジュールの都合上、健康診断を受けるための時間や余裕がない場合があります。
また、企業が職員に健康診断を提供するには一定のコストがかかるため、経済的に不安定な整骨院の場合は職員の健康診断を提供していないというケースもあります。
このように、規模の問題やスケジュールの忙しさから、定期的な健康診断が行われていない整骨院があるのです。
(7)育児に配慮されていない
これまで述べてきたように、小規模な院や社会保険に加入していない院では育児休暇や時短勤務の形を取ることは難しいでしょう。
育児による時短勤務制度を導入する際には、スタッフの配置や業務の調整が求められますが、これが難しい場合、制度の提供が遅れる可能性があります。
また、整骨院施設においては、スタッフの人件費が経営コストが支出の大部分を占めることがあります。
育児による時短勤務制度を導入する場合、代替のスタッフを確保したり、労働時間の調整を行うことで、経済的な負担が増大する可能性があります。
これらを理由に、育児による休暇や時短勤務制度の不足が問題化し、柔道整復師としてのキャリアと育児を両立させることが困難で退職してしまうケースが見られます。
まとめ
整骨院の労働問題における福利厚生不足は従業員の健康や生産性に大きな影響を及ぼします。
ワークライフバランスの悪化やモチベーションの低下でずっと不満を感じている方も中にはいることでしょう。
働き続けても一向に状況が良くならない方は転職を検討してみてはいかがでしょうか。
より働きやすい環境づくりを徹底した職場を目指して転職することを検討してみましょう。
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